Information Technology Planning, Implementation and IT Solutions for Business - Baseline
事業を中止する場合にやっておくべきこと
(2009/03/19公開)
学んだ教訓の確認
次の段階は、成功も失敗も含めて、プロジェクトXから学んだ教訓の文書化です。言い換えれば、プロジェクトXの事後分析です。この点に関して、クウェク・エウジ-メンザ著『Software Development Failures (ソフトウエア開発の失敗:仮題)』(MITプレスより2003年出版)の第8章「Postabandonment Review: Learning from Abandoned Projects(放棄後の検討:放棄したプロジェクトから学ぶ)」は、非常に参考になります。特に193ページには、プロジェクトの立案と開始、プロジェクトの管理と調整、技術ノウハウと技術基盤という3つの大きなカテゴリーに分けて、一連の質問事項が列記されています。
プロジェクトのスタッフを一室に集め、ピザをふるまって、「成功した点は?改善の余地があった点は?プロジェクトの問題点は?」と質問する方法でも、多くの貴重な情報を収集することができます。将来、プロジェクトXが復活する可能性や予定がある場合は、「このプロジェクトを再開するときに変更すべき点は?」を問いかけましょう。
貴重な知的財産の確保
これは、比較的短期間中断するだけのプロジェクトにとっても、役に立つ処置です。大企業のソフトウエア再利用イニシアチブに参与した経験から、筆者は-少なくとも機能的なコアコードに関する限り-再利用に多少懐疑的です。特定のコードが特定の利用法に適しているほど、そのコードがよそで再利用される見込みは低い(その逆も同じ)...これこそ、昔ながらの再利用のパラドックスです。一方で、ソフトウエアサービス、ライブラリ、シェルスクリプトなどは、特定のアプリケーションやシステムに依存しない独立した有用性を備えている場合が少なくありません。
プロジェクト成果物の保存
理論的には、プロジェクトXの成果物を保持する万全の専門コンフィグレーション管理(CM)システムを確保すべきです。成果物には分析書類、要件および仕様、アーキテクチャおよび設計書類、ソースコードツリー、試験計画およびスクリプト、テストデータベース、などが含まれます。成果物は、複数の異なる方法(テープ、DVD、ハードドライブ)でバックアップし、注意を払って、安全な場所に保管しなくてはなりません。
ハードディスクは比較的安価ですから、プロジェクトXの開発環境および試験環境からハードドライブを取り出し、同様に、安全な場所に保管する方法も考慮しましょう。再開の可能性があるプロジェクトならなおさらです。いかにCMやバックアップが優秀でも、バックアップ媒体から機能的な開発環境や試験環境を再現するのは大変な作業です。
要員の配置転換
プロジェクトXに参加していたスタッフは、ほかの職務に就かなくてはなりません。Project Xが比較的短期間中断されるだけなら、主要スタッフはいつでも復帰できる状態が望ましいでしょう。反対に、プロジェクトXが完全に中止される場合やしばらく休止される場合は、もっと常雇用のポストを与えなくてはなりません。もっとも、人員削減も迫られている場合は別です...。この話は、次回に続けましょう。
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