Information Technology Planning, Implementation and IT Solutions for Business - Baseline
もっとも報われないIT技術職は?
(2009/02/26公開)
ソフトウエア品質管理のヒエラルキー
技術者の序列はおよそ以下のような具合です。
・企業の設計者
・ソフトウエア主任設計者
・そのほかの種類の設計者
・上級開発者
・開発者
・試験者(筆者としては「QAエンジニア」と呼びたい)
大多数の組織で、「テスト」はトーテムポールの最下層に位置付けられています。経験豊かな上級QAエンジニアが、学校を出たばかりで経験もない初心者レベルのプログラマーより信用度も地位も劣る-そんなIT組織が珍しくありません。
これには、いくつかの理由が考えられます。まず何より、前述したように、QAが単なるテストと認識される場合が多く、多数の組織は非技術系の要員にソフトウエアのテストを行わせているのが現実です。コンピューターの前に座ってテストスクリプトを実行するだけのことに、専門大学の学位-少なくとも、コンピューター科学の学位-は不要だというわけです。
しかし、普通の人を訓練して手術を行わせることは不可能ではありませんが、果たしてそんな人に手術をしてもらいたがる人がいるでしょうか?ITエンジニアがテストを実行すれば、問題点に気付く可能性ははるかに高く、通常、テストを実行する主眼のひとつである欠陥再現の能力も高いのです。
2番目の理由は、ただ「テストする」作業は-特にテストスクリプトを実行するだけの場合-結局退屈な作業だからです。大多数のソフトウエアエンジニアにとっても退屈ですが、才能あるエンジニアにとってはなおさらです。自分以外の誰かがやらかしたヘマを探すよりは、プログラムを作ったり実装するほうが刺激があります。この問題点も、コードされた要件に対してユーザー指向のスクリプトを実行することだけをテストと考える狭義の認識が問題です。多くの組織がそのような認識に限定されています。テストにはほかにもたくさんの種類があり、どのテストも役に立ちます。非常に重要なテストも少なからずあります。このような数々のテストを行うには、大抵の場合、ソフトウエアに関する工学的なスキルと本物の専門知識が必要です。
3番目の理由は、品質工学を対象としてキャリアパス(昇進の道)を設定している組織が少ないことです。現状は、一群の「テスト要員」とQA主任がいる程度です。良くても、せいぜい、中級のQA管理者が数人いる程度です。実際、ソフトウエア開発へ異動になる以外は、専門の道で昇進する機会はほぼありません。
4番目は、これも前述したとおり、予算やそのほかのリソースの観点から、QAが後まわしになる傾向です。QAは、大抵の場合、IT分野で最初に予算を削られ、予算が増額されるのは最後です。
これらすべてから、QAは不安定で行き止まりの職業というのが一般的な見方です。その結果、ワインバーグ氏が指摘したように、ソフトウエアの信頼性は望むべくもないのです。
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