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事業切り捨ての決断の裏側
(2009/03/02公開)

ITプロジェクトのトリアージ実践方法

 前回説明したように、医療チームが使う「トリアージ」の考え方をITプロジェクトに適応することができます。ITプロジェクトは以下のように分類できるでしょう。

1.非常に重要なのでどうしても進行させなくてはならない、あるいは、手持ちのIT予算枠の外部から(十分に)資金が拠出される
2.新予算では、どう考えても、実現不可能あるいは資金が不足する
3.新予算で、おそらく縮小した形態ではあっても、遂行できる

 それぞれのグループについて説明しましょう。

グループ1:存続できるプロジェクト、存続が不可欠のプロジェクト

 企業や政府機関が手がけるITプロジェクトは、IT部門ではなく、「顧客」-そのプロジェクトを望むあるいは必要とする事業単位や事業部門-から資金が拠出されるものが少なくありません。そのような場合、顧客が必要な資金を供給するのであれば、たとえIT予算が削減されても進行は可能です。

 とは言うものの、IT部門内の新予算の結果、プロジェクトに必要なIT要員やリソース(ハードウエア、ソフトウエア、など)の調達が不可能になった場合は、保証の限りではありません。このような状況では、顧客がプロジェクトの範囲を縮小する、および/または拠出する資金を増額する方法で、不足分を補う必要が出てくるかもしれません。

 一方、どうしても停止や延期を許さないプロジェクトがあります。例えば、外部関係者に対して契約上の義務がある場合、法規制の要件を満たすためにシステムのアップグレードや交換を行う場合、などです。あるいは、会社が機能する上で、本当に不可欠なシステムもあります。ただし、ここで現実的な疑問がわいてきます。つまり、特定のシステムがそれほど不可欠なら、そのシステム無しで、会社は現在までどうやって存続してきたのでしょう?「本当に不可欠な」システムに長い年月と膨大な資金をつぎ込み、結局は実用化に至らなかった実例には事欠きません。したがって、提案されたシステムが本当に「不可欠」なのか...この点を、十分に討議する必要があります。

グループ2:没にできるプロジェクト、没にする必要があるプロジェクト、没になる運命のプロジェクト

 ITプロジェクトを没にすることは、政治的な観点から、IT部門でもっとも困難を伴う行動のひとつです。たとえ没が当然のプロジェクトであっても、難しさに変わりはありません。例えば、上層管理陣や社内顧客からの進行指示によって(現在はまだ破局してはいないが)明らかにいずれは破局に至る「死の行進」を続けているプロジェクト、十分に時間を費やした検討や堅固な基礎の構築を省略したまま、製品化しようとしているプロトタイプ/概念実証/技術実証のプロジェクト、よく練られた優れたプロジェクトであるものの開発展開に時間がかかりすぎて好機を逸したプロジェクト、等々...。

 トリアージの手法には説得性があり、影響力を強化しますから、前述のようなITプロジェクトを終了-少なくとも、規模を縮小-することが可能になります。唯一の機会を逃すことのないように、敢然とトリアージを行使しましょう。ただし、ただプロジェクトのキャンセルを発表するだけではいけません。事前の根回しが必要です。どのような討議にも耐えうる揺るぎない論拠を明白に示して、実行に必要な政治的支持を獲得しましょう。

グループ3:継続の可能なプロジェクト

 プロジェクトをグループ1とグループ2に分類した後、どちらのカテゴリーにも入らなかったITプロジェクトが残るかもしれません。特に組織が緊縮財政に直面している場合は、それらのプロジェクトにこそ成功の妥当な可能性があり、投資から納得できる利益を期待できます。やりがいのあるプロジェクトです。これらのプロジェクトは、グループ1に含まれた全プロジェクトに要する経費をまず優先し、差し引いた残りの予算あるいは資金で賄えるものでなくてはなりません。また、上層管理陣あるいは社内顧客が進行を後押ししていることも必要です。これらすべての条件を満たさない限り、いかに後ろ髪を引かれるプロジェクトであっても、おそらくグループ2に含める方が妥当でしょう。

 以上のようにふるいにかけてもなお、グループ3となったプロジェクトが利用できる資金を上回ってしまう場合があります。ここからが本当につらいところです。どうしても、進行させるもの、保留するもの、完全に中止するものを決定しなくてはなりません。同じく現在の経済混乱から影響を受ける新規事業の優先度や推進要素に結び付く可能性があって、実際、あなたの立場では手に余るかもしれません。それでも、特定の成功の可能性、予測される有効性、継続維持費に関して、十分な根拠に基づいた説得力のある討議を行える備えが必要です。

 以上のような次第です。おそらく簡単にはいかないでしょう。しかし、積極的に先手を打って早めにリサーチや分析を行えば、苦労を減じることは可能です。

(原文掲載:2008年12月11日)

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Originally appearing in the U.S. Edition of Baseline. All Rights Reserved.