Information Technology Planning, Implementation and IT Solutions for Business - Baseline
こんな時代に求められるもの:失敗の時間を生きる
(2008/11/13公開)
失敗の時間を生きる
金融危機により、自社の資金力を超えて拡大した企業は軒並み淘汰(とうた)されつつあります。自社は影響を受けないと信じていた企業も、この津波はこれまで超えてきたもの以上であるということを急速に理解しました。生き残っている企業は、鏡を見つめて、次は自社が破たんするかもしれないと感じています。
現在の経済は、静かに時間を失わせようとしています。アメリカの住宅市場の崩壊は、クレジット市場を凍結させ、金融会社に6,000億ドル近い損失を負わせました。オブザーバーは、2002年以降最悪の休暇シーズンを予測しています。
これに対して、どう対応すべきでしょうか。
現在では従来にも増して、ビジネスの存続は、巧みなマネジメントに依存するようになってきています。イノベーション、機動力、変化などの概念は新しい技能を必要とするものですが、新たな意味を持つようになってきています。これらの用語は過去の流行語と見なされて無視されることが多いものですが、今では生き残りと同義語になっています。そして、個人的な意見としてはそれも当然だと考えます。
現在起こっているような出来事に対する対応は、焦ったり、撤退したり、予算の大幅なカットを行うことではありません。その代わりに、(金融的に危機的であろうとなかろうと)21世紀の組織を主導するために必要な管理ツールを採用するべきです。これは、良い時期と悪い時期の両方に備える唯一の方法であるといえます。
この新世紀に起こっている出来事を明確にするには、なじみ深い一連の用語を使用する必要があります。それは、グローバル化、アウトソーシング、オフショア、情報化時代、イノベーション、つながりの時代、企業の非集約化、命令と制御の死滅、リアルタイム企業、知識経済、持続性といった用語です。
このような言葉についての考えを組織化し、対応を考えるための最初の段階は、これらの用語を2つのカテゴリに分類することです。情報、知識、イノベーションは、「対象(what)」と考えることができます。つながり、非集約化、パートナーシップは、「方法(how)」と考えることができます。
言い換えれば、今日の企業が生き残るために必要なものは情報で、その情報を分析することにより知識に変えることができ、その知識を製品、プロセス、またはビジネスモデルのイノベーションに向けることができます。企業は、つながり、非集約化、および新しい方法の模索により、その段階に到達することができます。
理解の第二段階として、「人」という新たな用語を追加しましょう。人に焦点を当てることで、グローバル化、アウトソーシング、非集約化などほかのすべての事項が適切な場所に落ち着きます。
考慮の対象となる人々は、4つのグループに分けられます。自社の組織内で勤務する人々、正式なパートナーシップを結んでいる社外の人々、その場限りの教習関係を結ぶ社外の人々、および製品やサービスを売り込もうとしている対象の人々です。
イノベーションは、生の情報や知識を使って将来を見通せる人の頭に生まれます。リーダーの仕事は、組織の内部と外部との両方で人々を互いに結び付け、管理することです。そうすることによって、イノベーションが表に現れ、顧客へのサービスに適用することができます。
イノベーションを求めるにしろ、より機動性と応答性を向上させるにしろ、あるいは単に会社がおぼれないようにするにしろ、これらの目標を達成するにはビジネスの集約とテクノロジーの管理が必要となります。これは、社員の共同作業にとってのまったく新しい方法となるでしょう。
残念ながら、ほとんどの企業ではこのような方法が実現されていません。ほとんどの企業は、組織のビジネスやテクノロジーの側面に合致した管理基準を採用していないのが現状です。1つの理由は、企業のコンピュータの時代は比較的黎明(れいめい)期であり、絶えず変化し続けているため、次々と行われる開発に対応することに必死で、総体的に十分な管理を行う余裕がないことです。別の理由として、組織のビジネスとテクノロジーの側面は互いに十分な理解を得ておらず、信頼を熟成するにも至っていないことが挙げられます。
ある時点で、テクノロジーは単なるツールではなくなり、ビジネスの戦略的な要素となりました。つまり、ビジネスを管理するためには、同時にその基盤となるテクノロジーも管理することが必要となり、管理者はビジネスとテクノロジーを1つに統合されたものと見なすようになりました。時には、ビジネスのアイデアが先にあって、テクノロジーのソリューションが見つかることもあります。また時には、新しいテクノロジーが先にあり、それを中心としてビジネスプロセス、最終的には新しいビジネスモデルが構築されることもあります。
この手順を適切に管理している企業では、ビジネスとテクノロジーが「集約されている」ということができます。このような企業は実践的にはいまだ主流ではありませんが、見つけることは難しくありません。市場の競争で優位に立ち、競合他社に着実に勝利し続け、現在の経済的な流れの中心にあるような企業を調べれば、多くの場合ビジネスとテクノロジーの高度な相互作用を実現していることが明らかになるでしょう。
現在は、変化を必要としている時代です。しかし、ウォール街ががけっぷちになるずっと前に必要だったのは、組織をどう設計し管理するかという点における変化であるといえるでしょう。
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